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心霊探偵八雲〈1〉赤い瞳は知っている(神永 学著)

「心霊探偵八雲」シリーズを今読んでいます。

同時に佐伯康英先生の「密命」シリーズも読んでいますが、こちらもおもしろい!

さて、心霊探偵八雲の方ですがこれもシリーズもので7巻くらいまであるのかな。
これは著者のデビュー作で、「赤い隻眼」という本の改訂版で、最初は売れなかったものの徐々に人気となりシリーズ化したものらしいです。

八雲

1巻目は短編ですが、八雲や春香などのキャラクターの説明から始まり八雲はちょっとぶっきらぼうでとにかく口が悪い大学生。春香は同じ大学に通う女子大生で霊に憑依された友人を助けるために八雲に相談に訪れる。八雲の左目は生まれつき赤く、人には見えない霊が見えるという。

なんか流れからしてライトノベル風ですが、心霊探偵というありがちな設定でまたか、というイメージでした。読み進めてもキャラクターがまだ生きていなくてセリフも固い。
霊が見えても霊能力者ではない八雲。除霊もできず超能力があるわけでもなく、いったいどう霊と戦うのか。
「開かずの間」という短編ではこれといった活躍もなくふ~ん、といったかんじで終わる。
まずひねくれ者の設定なのはわかるが、セリフに愛情が感じられず八雲の人間味がまったく伝わってこなかった。ここまで人嫌いな人間がちょっと頼まれたくらいで人助けに動くというのが信じられないくらい違和感たっぷりなのである。
正直言って、携帯小説並みだなぁと思ってしまったくらい。
デビュー作なのだから多少固くなってしまうのは仕方ないですけどね。それにしてもこのありきたりな設定で主人公に思い入れがなければ読み進めるのは難しくなってしまう。

というわけで最初からケチをつけてしまいましたが、本命発揮はこれからだったんです。

第2巻はようやく長編になるが、八雲の赤眼をあてにする後藤刑事とのやりとりが丁々発止でテンポががぜんよくなってくる。キャラクターも各々が生まれ変わったように生き生きと動き出し、やっと神永氏の面目躍如といったところか。
伏線らしきところも配しながら、新しく加わるキャラクターもあいまって会話もやっと聞きやすくなってきた。八雲の毒舌も慣れてきたのかそれほど嫌われるものでもないのが不思議。
それどころか大学生の八雲の舌にきりきり舞いさせられる後藤刑事とのやりとりがとても楽しい。

花とゆめでマンガ化され、アニメにもなっているらしいが、若い世代ならおおいに受けるだろう。
笑いあり、恋愛あり、そしてちょっぴりしんみりとする場面もあり、休日のお供に最適でした。
さて、今日は4巻目を読もうかな。
金爆を聴きながら。

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プラチナデータ(東野圭吾)そして私の男(桜庭一樹)

やっとおだやかな天候となり、今日は2台の車のタイヤ交換をしました。
いつもならもっと遅い時期にやるのですが、どこへも行く予定がないので、さっさとやることに。
でも、へたすると5月の連休でも雪が積もったりしますからね。油断はなりません。
我が町から道東の方へ行こうとすると4つの峠を越えなければなりません。
北見、網走へは石北峠、滝上、紋別方向へは浮島峠、遠軽、湧別方向へは北見峠、そして帯広、十勝方面へは三国峠があります。
道東から旭川や札幌方面へ向う交通の要所でしたが、近年は高速道路として道東道が開通したので、札幌方面へ向う車はそちらがメインとなりました。
我が町も、旭川から紋別へ向う、旭川紋別自動車道が開通し、遠軽方面まではつながりましたが、まだ紋別までは開通していません。
かなり便利にはなりましたが、それに伴って交通事故も増えていますね。
今時期はタイヤ交換の有無による事故が増える時期です。

話がそれました。

時間を作ってちょこちょこと本を読みました。

「プラチナデータ」(東野圭吾)です。



映画を見て疑問に思ったところがよくわかりました。
天才科学者、神楽龍平の父親がなぜ簡単に亡くなってしまったのか、その動機です。
映画では、コンピューターが作った作品と自分の作品を息子に見せ、息子がコンピューターの陶芸品の方がいいと指を刺した場面が映し出されます。
えええ~!そんなことで死んじゃうの?っていうのがメチャメチャ疑問でした。
芸術家は頑固な信念があってもいいが、精神もろすぎじゃないの?と思いました。

小説の方ではちゃんとそれなりの描写がありました。
まったく違うわけでもないですが、はしょりすぎだろそれ!っていいたくなるくらいの。
それ以外にもかなり違いがありましたが、映画的にはOKでしたね。


「私の男」(桜庭一樹)です。




内容も知らずに図書館から借りた本です。
直木賞を受賞した作品くらいの前知識しかありませんでしたが、これって北海道が舞台だったんですね。
舞台は南西沖地震に見舞われた奥尻島と、道東の紋別市、そして東京への逃避行という流れです。

題材が近親相姦を唄っているのでそれだけでダメな人はダメでしょう。
しかし、その訴えるものは力強く官能的でした。
孤児として育った惇悟と、孤児になってしまった9歳の花。
遠い縁戚として惇悟にひきとられた花は、しだいに惇悟と濃密な親子関係を築いていき、紋別市の名士、大塩にその関係を見咎められるようになる。
東京へ逃げた惇悟と花は、質素な暮らしをしていたが、やがて花は大学を出て派遣職員として働き出し、ある男と結婚をすることになるが、その男の見た惇悟とは。

花の結婚という幸せな場面から、時代を遡って物語りは展開していく。
しだいに親子の秘密が明かされていくが、近親相姦という形をとってはいるが、その愛は純粋でひたむきな惇悟の愛を映し出していく。
だから官能的ではあるが、いやらしさはなく惇悟のさわやかさが引き立つようになっている。
花は惇悟と骨まで一緒になろうとするが、ではなぜ他の男と結婚しようとしたのか。

読後感はいろいろな疑問が残るものであるが、これが桜庭一樹が世に出た1作品であることを考えるとこの作家の次回作をぜひ読みたくなることまちがいなしである。

「恋愛錯誤」を読んで(谷口冴 著)

恋愛錯誤


「恋愛錯誤」を読んだ。
帯にはこうある。

「中年期にさしかかった女性が、
若き日の恋を回想する。
純粋で、少し不器用な恋模様を描いた、
レトロチックな恋愛小説。」


作者の小説ジャンルを知らないので、いったいどんな小説だろうとわくわくして手にとった。
内容は今で言うライトノベルかな。さくっと読み進めることができる。

目次を見ると大まかに4つ。
主人公の年齢とともに当時のエピソードと恋が描かれる。
物語の主人公は池上喜久子。
50歳を過ぎていまだ独身。
ふと目覚めて徐々に過去の記憶に想いを巡らせるという内容だ。


あらすじ(以下ネタバレ含む、読みたくない方はスルー奨励)



大学生の喜久子。
大学に通いながら映画館でバイトをしている。そこに出入り業者の松井が現れる。
なれなれしい松井に対し、喜久子は反発を覚えるのだが気になってしょうがない。
同僚に冷やかされる喜久子だったが、しだいに興味を覚え強引な松井の誘いで一緒に食事をすることとなる。

「おまえ、飲めるのか」松井が聞いた。
「飲むけど。大学へ入学してすぐに、コンパがあるじゃない。そこで飲まされてね。
競争だ、と言われて、飲み続けていたら、先輩が、先に酔いつぶれた」
「私中華が好き」
「中華か、よし行こう」


若さのあふれる初々しい喜久子。
大学も、バイトも、恋もすべてが輝いていたあの時代。
インベーダーと題されるこの章は、何事にもひたむきな喜久子は同僚や異性にもものおじせずに向かっていく。
やがて松井はある理由で喜久子の元を去るのだが、若い喜久子はそこで驚くべく行動に出る。


大学を卒業し社会人となった喜久子。
会社員としてアットホームな会社で働くことになる。
そこに新入社員として塩崎が入社してきた。
女性がつきそっているが母親ではない。
その女性は手話通訳者であった。
新入社員ということもあり、大学時代に手話同好会に入会していた喜久子と塩崎は急速に距離を縮めていく。
そして、通訳者の誘いで喜久子は手話サークルに入会することとなる。通訳者は石川と名乗る。
大学時代、手話を頭だけで覚えていたのとちがい、本当のろうあ者と触れ合うにつれ彼らも普通の若者とちがいがないことに気づく。
だが、29歳独身の会員、桜木や塩崎と知り合うようになって、しだいに疑問に思うようになる。
石川によると、喜久子の感じた物足りなさは、ろうあ者の成長過程にあった。情報不足によって社会から取り残されてしまい、自分の世界を広げられないでいる人もいるようだ。
やがて塩崎と親しくなった喜久子は、彼を自分のアパートに招き、キスをせまられる。
驚く喜久子だったが、塩崎はそれ以来出社しなくなりやがて退社してしまう。
責任を感じた喜久子は石川に相談するが、ろうあ者であるがゆえのストレートな気持ちに答えられなくても気にしなくてもいいと言う。
釈然としないがどうすることもできない喜久子だった。


数ヶ月が過ぎ、手話サークルをやめた喜久子は、免許を取った石川にあこがれ自分も免許を取ることにする。
石川の紹介で自動車学校に通うことにした喜久子は、親の了解を得ようと久しぶりに実家に電話をした。
過保護をきらい独立した喜久子だったが、授業料を無心されたと勘違いした母親に素直に感謝して受け取ることにした。
教習を開始した喜久子だったが、やがて大型免許を取りにきた飯寺と知り合う。
仮免に合格した日、飯寺は「おめでとう」と握手をしてきた。
しだいに仲良くなった二人だったが、飯寺の申し出で自宅まで送ってもらうことに。
かっこいいスポーツカーに気をよくした喜久子を、飯寺は食事に誘う。


「飯寺さんって、自分のこと僕って言うの、俺っていうの」
「何でそんなことをきく」
「あの車に僕は似合わない」
これには飯寺は吹き出してしまった。食べていた軍艦のイクラがこぼれてしまった。
「じゃぁ俺か」
「ミーとかもやめてよ」
「アイマイミーマイン」
飯寺がリズムをつけて言った。
今度は喜久子がネタをこぼした。


デートを重ねる二人。
しだいに喜久子は飯寺に惹かれていった。
学科試験にも合格した喜久子は、飯寺と合格祝いの食事をする約束をして別れた。
その日飯寺は来なかった。
不安になった喜久子は飯寺の勤める電器店に電話をする。
飯寺は事故にあったのだ。あわてて見舞いにかけつける喜久子だったが、驚愕の事実を知ることになる。


喜久子は三十路を過ぎていた。
免許を取って車を買ったがアパートには駐車場がない。
引越しを決意した喜久子は、会社から電車で五つ目の駅に物件を見つけた。
引越しを終えてあいさつに伺った大家宅で、二男坊菅原利昭に出会う。
しかし菅原は、なんと自分の隣に住んでいた。
さっそくあいさつに向かった二男坊の玄関で、無愛想な応対をされた喜久子は怒り心頭であった。
その後しばらくして、大家の息子である菅原が訪ねてきた。
立て付けが悪いから隙間テープを使ってくれと持参してきたのだ。
ぶっきらぼうではあるが、案外悪い人でもないかもと思う喜久子だった。
喜久子が気になる菅原は、へたくそなラブレターを喜久子に渡す。

「どうするかな」
喜久子は考えた。
付き合ってください、と最後にフェルトペンで書かれていた。
最後の文字だけ太く書かれてあるのは、かなりインパクトがあるなと思った。
おかしな人という印象はあるが、憎めない気がした。
だらだらと自分の気持ちを綴った文章を、読むにつれて愛おしさも出てきたのだ。

海に行きたい、という喜久子。
元カーレーサーという菅原は、高速道路に向かった。遅い車をスイスイと抜いていき、喜久子は素直に感心する。
やがて喜久子は菅原の部屋で食事を作るようになった。
40歳になる菅原とは半年ほど暮らすこととなる。
そんな二人のもとに、喜久子のいとこが訪ねてきた。
サラ金に借金を重ねたあげく喜久子に借金を申し込みにきたのだ。
即座に断った喜久子だったが、その後逆上した菅原に部屋を追い出されてしまう。
理由のわからない喜久子だったが、ある事実が浮かび上がってきた。


結婚と言うものに縁がなかった現在の喜久子。
喜久子の自問自答は、しばらく続く。

「所詮、恋愛なんて、誤解と錯覚の連続なのかも」

チャイムが鳴った。
喜久子はインターホンを取った。
テレビモニター付きのインターホンは、一人の男性訪問者を映し出していた。




冒頭、ライトノベルのようと書きましたが、水のようにサラサラと読めます。
自分と同年代の主人公。
あぁ~そんなこともあったなぁ、と感傷にひたりながら。
序盤に登場する松井君はインベーダーゲームの達人なのですが、昔はゲーセンというよりは喫茶店とかホテルのロビーで必ず達人が注目を集めていたものでした。

恋愛にうといわけでもなく、むしろ好感を持たれることの方が多い喜久子がなぜ結婚できないのか。
世の中は不公平なものですね。
いっちゃぁおしまいだけど、こんな子が?っていうブチャイクな女性がイケメンをゲットする場合もあるのに。
登場する男性陣も、今と違い草食男子というわけでもなく収入がないというわけでもない。
喜久子がしつこく結婚をせまって嫌われるというパターンでもないようです。
言ってみれば不幸の連鎖なのかもしれません。

読後感がさわやかなのは、喜久子の物怖じしない明るい性格にあると思います。
男性から見ると鎧で覆われていない、好奇心の強い女性です。
こんな素直な子だったら今の時代、きっと誰かにだまされてしまいそうな。
昔はこんな時代でした。
女の子をナンパするのは車の時代。看護学校の前とか、歓楽街とか、女の子の帰宅を待って車が列をなしてましたね。

自分の気になったのは石川さん。
大人のお姉さん的な、キャラでいえば天海祐希のイメージですね。
ペーパードライバーなのに、車を暴走運転するワイルドさにやられました。

ちょっと気になったのは、さわやか過ぎるという点。
年代と共に男性遍歴を重ねる主人公の、大人になる体験もあったらちょっとドキドキしたかも。

著者あとがきで、著者の執筆の後押しをしたのが司馬遼太郎ということにちょっとうれしくなりました。
竜馬がいく、を書いた司馬遼太郎。
香川の地にまた新星が生まれました。




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中国嫁日記 (井上純一)

今回の素敵なブロガーさん紹介は、ブロガーというよりも有名な漫画家と言った方がいいかもしれません。
しかも4コマ漫画です。

「中国嫁日記」


中国嫁


中国嫁2

というような4コマ漫画なのですが、ここで特筆なのは井上純一さん、こと「ジンサン」(中国語で井上のこと)がエロフィギュアなどをこよなく愛するオタクだと言うこと。
まぁ、紹介するのにエロフィギュアはよけいなんですけど、そういう女性には嫌われそうな40歳のオタクが20代の美人さんをゲットしたものだから、世間からうらやまれたり、抹殺されても仕方がないのかもしれませんね。

実際、オタク仲間からは「モゲロ」という祝福の呪われた言葉が贈られるわけですが、これは男性器を指して言っているのであって心から喜ばしいと思われていないことは確かでしょう。
まぁ、50代のわたしでも「モゲテシマェ~ソシテイヌニクワレロ~」と思いますけどね。

皆さんにはぜひ、この4コマ漫画を最初からさかのぼって見ていただきたい。
今でこそ中国とわが国はただならぬ関係にありますが、そんな中で、お二人は国と国の関係を乗り越えて愛情をすくすくと育んでこられました。
国や民族という大きなスケールで見ればお互い理解しあうことは難しくても、人と人、その小さな単位でお付き合いすればなんら変わりのない同じ人間同士がそこにあるわけです。

そういう考えれば単純なことを、お二人は身をもって教えてくれました。
マンガ自体も、とてもわかりやすくて、月(ゆえ)さんの魅力的な(天然含む)人柄もあって、ジンサンのとまどいや、デレデレ感や、深い愛情がみてとれます。
俺も中国嫁もらいてぇ~~~~!っていう読者が増殖するかもしれない。
中国人と結婚したら家族郎党100人くらい日本へ来ちゃうんじゃないの?とご心配な方にもオススメです。
ネットだけではなく、コミックとして出版もされていますので、興味のある方はどうぞ!




新世界より (貴志祐介)

ブロ友、「enzerupanda」さんの紹介でこの本を読みました。

貴志祐介さんの小説は、黒い家、青の炎、悪の教典と読んできて、それぞれ映画化もされましたが、この新世界よりは未読でしたね。現在はこの小説もアニメ化されて今テレビ朝日で放映されていますが。

新世界より

enzerupandaさんから紹介された時も分厚いし前編は読み流しても大丈夫とのことでしたが、これを図書館に借りに行ったときも、図書館でバイトしている同級生は相当な本好きなのですが、上巻で挫折したとのことでした。
だってSF小説苦手だも~ん!とのたまってましたが、この本はSFと魔界小説が交わったもの、と言えるかもしれません。作家でいうと「小野不由美」の異世界の小説に似ています。

新世界アニメ

小説を読んで最初に感じたのは、H・G・ウェルズの「タイム・マシン」の世界と似ているということ。
これはイギリス社会の未来を風刺たっぷりに描いたものですけど、時間旅行者が覗いた未来はイギリスの貴族階級が「エロイ」に、そして生産階級が「モーロック」と進化(退化)し、エロイは地上で楽園生活を送るが知能は退化しており、モーロックは地下でエロイのために機械労働をして生産を行っていたが、やがてエロイを食する食人族へと進化していた、という事実を目撃した時間旅行者はモーロックとの死闘のあと更なる未来をめざすというもの。

貴志祐介の書いた未来は、核戦争ならぬ超能力戦争で滅びた未来の日本。
アメリカのドラマ、「HEROES」に出てくる日本人マシ・オカは時空を操る超能力者でしたが、貴志祐介は超能力とは言わずに「呪力」と表現します。
超能力戦争で滅びた世界は、機械文明はほとんど残っておらず、昭和初期のような電灯もない生活をしています。

「あらすじ」(ネタバレあるかも)
主人公の渡辺早希は結界の張られた小さな神栖66町で大人たちに守られて暮らしている。
仲のよい早季、覚、瞬、真理亜、守の5人の仲間たちは12歳になると呪力が使えるようになり、次々と園を卒業していくが、早希だけが取り残される。
やがて早希にも呪力が目覚め、儀式を通過してみんなと共に上位の学校へ行くことになる。
そして、両親はなにか隠しているようだが母の早希だけは失いたくないという言葉を耳にする。

結界の外には「バケネズミ」という下等な生物が人間に奉仕して暮らしていたが、ひょんなことから早希はドブに落ちたバケネズミを助けてしまう。バケネズミとの接触は倫理規定により禁止されていたが、仲間みんなで秘密を守ることにした。
やがて呪力の扱いも上達した5人は、夏季キャンプにカヌーで出かけることに。
そこで5人は決められた区域を出てしまい、「ミノシロ」というナゾの生物に出会う。
つかまえようとすると、ミノシロは5人に触覚を光らせて催眠術をかけて動けなくしてしまう。
サングラスをしていた早希だけが逃れ、ミノシロを捕獲することに成功する。

するとミノシロはしゃべりだし、5人は驚くがミノシロは古代文明の情報を守る図書館のようなものであった。
人工知能とアーカイブを持った自分を守るため、生物に擬態して生き延びていたのだ。
瞬はミノシロに悪鬼と業魔についてたずねた。
そして、大人たちがひた隠しにしてきた衝撃の過去が語られる。

超能力と持つものと持たないもので戦争があったこと。
そして500年も前に超能力を持たないものたちが滅びたこと。
そして超能力を持った人類は今の神栖66町を作り上げ、バケネズミを使役として使い、能力者同士が殺し合いをしないように「攻撃抑制」と「愧死機構」(きしきこう)というものを潜在意識に植えつけた。
愧死機構は、相手を殺そうとして呪力を使うと、その反動が自分に帰ってきて自分が死んでしまうというもの。
そしてさらに、神栖66町の安定のために、男女間の性行為を禁止し、許可されたものだけが許されることとした。
未婚の男女は、同性間の性行為が許されており、それによって性衝動を管理されていた。

それでも愧死機構の効果のない子供が生まれ、やがては悪鬼、業魔となって人類を滅亡させる確率があった。
それがために大人たちは、子供の成長を管理し、行動全てを監視し、危険分子は不浄猫という妖獣を使って処分してきたのである。

話の途中でミノシロは突然燃え上がる。離塵という清浄寺のお坊さんが子供たちを発見し、ミノシロと話すという倫理規定違反で攻撃したのだ。
5人は離塵によって呪力を封じられ、町へ戻ることとなる。
しかし、途中でバケネズミの大軍に襲われ離塵は死亡し呪力を持たない子供たちはちりじりになって逃げ惑う。
早希と覚は包囲され、バケネズミにつかまってしまう。
呪力の使えない早希たちはいったいどうなるのか。。。

「あらすじ」おわり



これから下巻になっていくわけですが、バケネズミとの闘い、そして悪鬼・業魔との出会いが描かれます。
そしてアニメではあいまいにカットされていますが、小説では早希と真理亜、瞬と覚の性行為も濃厚に描かれています。それはもうエロ小説か!というくらいに。
これはボノボという猿が、猿社会を安定させるために交尾以外の同性での性行動を行っている、ということがモチーフとなっていますが、異世界を描く上で実世界とは違う様子を描くことで世界観を造りだしています。
けして読者サービスということではないと思うので間違えないように。
それにしても濃厚すぎてアニメではさらっと流されていますね。それでもコメント見ると反響大ですけど。

貴志祐介といえば心理的に怖い描写がお得意なスリラー作家だと思っていましたが、第29回SF大賞を受賞したこの作品は氏の渾身の力作ですね。
どちらかといえば推理が緻密な作家なので、この作品においても多少のこじつけのようなものは見られるものの、全体においては終盤において見事にストーリーを結実させていました。
超能力、差別、管理社会、文明への警鐘などさまざまなものが折り込まれていますが、なんといっても大事なことは読者の予想を裏切りそして最後まで読ませて楽しませることにあります。

その点では貴志祐介はそれに成功したと言えるでしょう。
この作品を紹介してくださったenzerupandaさんに感謝します。





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