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新世界より (貴志祐介)

ブロ友、「enzerupanda」さんの紹介でこの本を読みました。

貴志祐介さんの小説は、黒い家、青の炎、悪の教典と読んできて、それぞれ映画化もされましたが、この新世界よりは未読でしたね。現在はこの小説もアニメ化されて今テレビ朝日で放映されていますが。

新世界より

enzerupandaさんから紹介された時も分厚いし前編は読み流しても大丈夫とのことでしたが、これを図書館に借りに行ったときも、図書館でバイトしている同級生は相当な本好きなのですが、上巻で挫折したとのことでした。
だってSF小説苦手だも~ん!とのたまってましたが、この本はSFと魔界小説が交わったもの、と言えるかもしれません。作家でいうと「小野不由美」の異世界の小説に似ています。

新世界アニメ

小説を読んで最初に感じたのは、H・G・ウェルズの「タイム・マシン」の世界と似ているということ。
これはイギリス社会の未来を風刺たっぷりに描いたものですけど、時間旅行者が覗いた未来はイギリスの貴族階級が「エロイ」に、そして生産階級が「モーロック」と進化(退化)し、エロイは地上で楽園生活を送るが知能は退化しており、モーロックは地下でエロイのために機械労働をして生産を行っていたが、やがてエロイを食する食人族へと進化していた、という事実を目撃した時間旅行者はモーロックとの死闘のあと更なる未来をめざすというもの。

貴志祐介の書いた未来は、核戦争ならぬ超能力戦争で滅びた未来の日本。
アメリカのドラマ、「HEROES」に出てくる日本人マシ・オカは時空を操る超能力者でしたが、貴志祐介は超能力とは言わずに「呪力」と表現します。
超能力戦争で滅びた世界は、機械文明はほとんど残っておらず、昭和初期のような電灯もない生活をしています。

「あらすじ」(ネタバレあるかも)
主人公の渡辺早希は結界の張られた小さな神栖66町で大人たちに守られて暮らしている。
仲のよい早季、覚、瞬、真理亜、守の5人の仲間たちは12歳になると呪力が使えるようになり、次々と園を卒業していくが、早希だけが取り残される。
やがて早希にも呪力が目覚め、儀式を通過してみんなと共に上位の学校へ行くことになる。
そして、両親はなにか隠しているようだが母の早希だけは失いたくないという言葉を耳にする。

結界の外には「バケネズミ」という下等な生物が人間に奉仕して暮らしていたが、ひょんなことから早希はドブに落ちたバケネズミを助けてしまう。バケネズミとの接触は倫理規定により禁止されていたが、仲間みんなで秘密を守ることにした。
やがて呪力の扱いも上達した5人は、夏季キャンプにカヌーで出かけることに。
そこで5人は決められた区域を出てしまい、「ミノシロ」というナゾの生物に出会う。
つかまえようとすると、ミノシロは5人に触覚を光らせて催眠術をかけて動けなくしてしまう。
サングラスをしていた早希だけが逃れ、ミノシロを捕獲することに成功する。

するとミノシロはしゃべりだし、5人は驚くがミノシロは古代文明の情報を守る図書館のようなものであった。
人工知能とアーカイブを持った自分を守るため、生物に擬態して生き延びていたのだ。
瞬はミノシロに悪鬼と業魔についてたずねた。
そして、大人たちがひた隠しにしてきた衝撃の過去が語られる。

超能力と持つものと持たないもので戦争があったこと。
そして500年も前に超能力を持たないものたちが滅びたこと。
そして超能力を持った人類は今の神栖66町を作り上げ、バケネズミを使役として使い、能力者同士が殺し合いをしないように「攻撃抑制」と「愧死機構」(きしきこう)というものを潜在意識に植えつけた。
愧死機構は、相手を殺そうとして呪力を使うと、その反動が自分に帰ってきて自分が死んでしまうというもの。
そしてさらに、神栖66町の安定のために、男女間の性行為を禁止し、許可されたものだけが許されることとした。
未婚の男女は、同性間の性行為が許されており、それによって性衝動を管理されていた。

それでも愧死機構の効果のない子供が生まれ、やがては悪鬼、業魔となって人類を滅亡させる確率があった。
それがために大人たちは、子供の成長を管理し、行動全てを監視し、危険分子は不浄猫という妖獣を使って処分してきたのである。

話の途中でミノシロは突然燃え上がる。離塵という清浄寺のお坊さんが子供たちを発見し、ミノシロと話すという倫理規定違反で攻撃したのだ。
5人は離塵によって呪力を封じられ、町へ戻ることとなる。
しかし、途中でバケネズミの大軍に襲われ離塵は死亡し呪力を持たない子供たちはちりじりになって逃げ惑う。
早希と覚は包囲され、バケネズミにつかまってしまう。
呪力の使えない早希たちはいったいどうなるのか。。。

「あらすじ」おわり



これから下巻になっていくわけですが、バケネズミとの闘い、そして悪鬼・業魔との出会いが描かれます。
そしてアニメではあいまいにカットされていますが、小説では早希と真理亜、瞬と覚の性行為も濃厚に描かれています。それはもうエロ小説か!というくらいに。
これはボノボという猿が、猿社会を安定させるために交尾以外の同性での性行動を行っている、ということがモチーフとなっていますが、異世界を描く上で実世界とは違う様子を描くことで世界観を造りだしています。
けして読者サービスということではないと思うので間違えないように。
それにしても濃厚すぎてアニメではさらっと流されていますね。それでもコメント見ると反響大ですけど。

貴志祐介といえば心理的に怖い描写がお得意なスリラー作家だと思っていましたが、第29回SF大賞を受賞したこの作品は氏の渾身の力作ですね。
どちらかといえば推理が緻密な作家なので、この作品においても多少のこじつけのようなものは見られるものの、全体においては終盤において見事にストーリーを結実させていました。
超能力、差別、管理社会、文明への警鐘などさまざまなものが折り込まれていますが、なんといっても大事なことは読者の予想を裏切りそして最後まで読ませて楽しませることにあります。

その点では貴志祐介はそれに成功したと言えるでしょう。
この作品を紹介してくださったenzerupandaさんに感謝します。





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NO TITLE

ハックルさん

おはようございます^^

内容はたしかにむずかしいかもしれませんね~
読み進めながらなんだこれ?と思うこともしばしば。
推理小説好きな人のなかには、つじつまにこだわる人も多いようですが、
自分はそこはこだわりませんので、どんどん気にしないで読んでしまいます。

時代劇というか、歴史物も好きなので、今度の書評はそちら方面で考えますね。

NO TITLE

りこ さん

おはようございます~

十二国記そうそう、自分もそれが一番大好きですね。
長女が最初おもしろいよ~と貸してくれて、読むうちにのめりこみました。
ライトノベルというくくりなんですけど、ライトどころか重厚な読み応えがありましたね。
他の小説もおもしろくて、十二国記は何度も読み返したいので図書館に寄付しました。
こうしておけば大事に保管してくれるし、他の人にも広めたいと思ってね。

じゃ、店内で子供が走り回るのを禁止する条例つくってもらいましょうか。
お年寄りだっているし、そういう子供とぶつかって転倒したら大怪我しますしね。
今の親って、公園のベンチから子供が落ちて怪我をしても設置者を訴えますよね。
エスカレーターもそう。
親の管理責任をもうちょっと認めないとこれから大変なことになるような気がします。

NO TITLE

おはようございます!
う~ん、ムズカシスギル、ジジにゃなんだかサッパリ、水戸黄門漫遊記だと少しは!

NO TITLE

こんばんは!


小野不由美先生を知ってるんですね!!!

我が家には、12国記ありますよ~~

っていうか、大好きなんです。12国記。
来年には新刊が出るそうなので、楽しみにしています。




ホームセンターでは、「子供の手を離さないで」的な放送は
しないのだそうです。
……クレームになるんですって。


条例か何かで決めてくれないかなぁって思うことありますよ。


「子供から目を離さないでください」

って。

罰金刑、いいなぁ。それ、私たちに入ってくるならもっといいなぁ(笑)
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